大学のこと, 進路のこと

もともとは普段の日記の中で書いていた文章ですが, 単体で読み返す可能性が高いので, 別記事にしました.



大学が始まった.
前期課程の頃は,(生命科学のような)一ミリも興味が湧かないような授業に辟易させられたものだが, 専門課程に入ってからは, どの授業も(全てが面白いとまで言えるわけではないにしろ)自分の関心にある程度繋がっている部分があるので, 素晴らしい. それに, 必修科目が少ないおかげで, 超域文化科学や認知行動科学の授業も履修することができる(第二段階の志望の2番目が認知行動科学で, 3番目が超域文化科学です). まだ入ってから一週間も経っていない人間が言うべきことではないが, 理情を選んで良かったと思う.
週に2コマあってウェイトの大きい情報科学基礎実験というのも, 家や図書館でプログラムを書いて提出すればいい感じで, 人が沢山いる教室で講義を受けるのがあまり好きではない人間には非常に向いている.
授業内容に関して言うと, Cについて自分があまりにも知らないなというのが浮き彫りになった. つらい. 学び始めにpythonのような高水準言語ばかり使っていた弊害である. 虚心坦懐に自分の未熟さを見詰めていく大学生活になるのだと思う.

↑なるほど.


ストロングゼロで酔ってきました)


さて, 最近進路について考えていることを書く.
大学院に進学せずに学部就職した方が良いのではないかとここ1ヶ月くらい考えていた. 理由をざっくばらんに述べると

  • バイトなどを通して, エンジニアとして働くだけなら大学院での研究の経歴は必要無いというのが身をもって分かってきた. 特にWeb系だと文系出身もザラっぽいし, 高校生の頃からOSSにコミットしている人や, セキュリティに異常に詳しい人など, 風変わりな人もたくさんいる. とにかく学歴不問な世界である. だから, 学部卒が今更そこまで不利に働くわけではない. それに, 大学で教わるものでもないが実務で必要な知識(セキュリティなどがまさにそう)というのも沢山あり, そういう知識を仕事を通して学ぶという生き方は必ずしも虚無というわけではない. ほかにも, 例えば, 機械学習の理論的な研究で新たに明らかにされた知見を, いかにして実際われわれが使うアプリケーションに落とし込み, われわれが使える形にしていくか, みたいなテーマも面白いことだし, そういうことを大学の外でやっていく人生が全然悪く無いなと思っていた.
  • 大学院は, 研究という「これまでやってきたことに自分で新しいことを付け加える」ことをする場であり, 「これまでやってきたこと」を学ぶのが好きな人がその延長で行くべき場所ではないとは大学入学当初から思っていた. 大学院に対してはとにかく, 研究に関することに思考を収束させねばならず, 生活に一貫性を持たせる必要があるというイメージがあるのだ. だから, 自分のような(一応?)情報系のくせに, 人文科学にもそれなりの興味を抱いてしまう気まぐれ屋には向いていない気がしていた. さらに, 理系はこぞって盲目的に修士に進学するというような風潮(?)にも反抗心があった. id:SWIMATH2 さんのような, 進路に迷った結果中途退学した人をインターネットでよく目にしていたのもあった.


しかし, ここ2, 3日で気が変わってきた. 一つは, 以下の記事を読んだことである.

https://tarotakaguchi.wordpress.com/2018/09/26/advantages-to-be-an-interdisciplinary-being-on-a-transition-to-the-industry/amp

この記事は主に学際的研究に携わってきた研究者としての生き方を提示しているが, 自分が考えさせられたこととしては, 論文や学会発表などで「考えを適切にまとめ, 述べる作業」というのに1年以上かけて取り組むというのは, 大学院でなければ出来ないことだろうし,(たとえそこで自分が行った研究が研究としては不本意な結果に終わったとしても)その経験は, エンジニアとして対外的に発表などを行う際にも非常に有益なのは間違いないということである. 特に, 人に対して発表する経験など人生でごく僅かしかない自分はそうである.

もう一つは, 木曜3限に酒井邦嘉という人の授業を受けて, その時に「とにかく将来の道を狭めることをするな」と言われたことである. この人は, 理物を卒業した後, 医学, 言語学などを転々として, 現在は脳神経科学とチョムスキー生成文法の統合を目指しているという意味不明な経歴を持ったすごい人だが(全般的に物理学科出身で人文科学に進出している人はヤバい感じがある. アハ体験の人とかね), 確かに, そういう生き方に自分も共感する部分はあって, 就職してから何十年も同じ大企業に留まり続ける人生は嫌なのである(だからこそ流動性の高いIT業界は健全だと思う). それを考えると, せっかく多様な進路が考えられるところを学部就職するという選択肢で狭めるのは, (就職してからも固定された人生を送るような業界では無いにしろ)確かに勿体無い話である.


大学院に進むとなれば, 進むに値するような興味を持てる分野は何だろうか.
現時点で言えば, やはり自然言語処理に対する興味が大きい. 自分が毎週こうやってブログに長文をつらつら書いたり, 読書ばかりしているような人間でもあるし(もちろんブログだけが素材ではない. ブログに書かれるようなポエムと, ツイッターなどに断続的に投稿される文章にどのような差異があるのか, というのもひとつ個人的な興味としてあるが...), 人間の言語の扱い方はとにかく未知に溢れている. 昔お遊びで tf-idf を使ってデレマス曲の歌詞を分析したこともあるが, こうやって個人の趣味としてお遊びができるというのも自分にとっては魅力である(趣味人なので). こういうのは動機としては下らないのかもしれないが, 研究するためにはその研究テーマについて考えることが好きであることがひとつ大切だろうから, 軽視はできないと思っている.
弊大学では自然言語処理の研究が主に盛んなのは電情なので, このことを考え出すたびに電情にしたかったなという気持ちが湧く(eeic の情報系分野のみ学科があったら多分そっちにしてました). 自然言語処理というのはとにかく今大人気な機械学習の一角を占めているので, その中で自分達がやる研究のプレゼンスをどうやって示すのかというのが難しい問題である.
このように, 漠然とした興味があるのだが, 具体的にどのような題材が今研究対象としてホットなのかをもっと知るべきだと思っているので, (ちゃんとした学会発表は今はハードルが高いにしても)エンジニアの勉強会くらいから情報をキャッチしていきたい. connpass を最近使い始めたが, 今のところ登録したのは(言語として好きな)Haskell 関連だけなんだよな... (Haskell は良い言語です). あとは大学内で開かれている研究発表会にもできれば参加していきたいと思う. 以上.